カーテンコール
頬を差す 麦わらと蝉時雨
やっぱり あなたは愛しい人
描かれた 校庭の影模様
なぞって 裏手に この記念樹
15年後にまた会いましょう
途切れかけた日々をつないだら
ゆらり揺られて 夏色の季節が
あの日のままに 弾けてゆく
風の香りも 降り注ぐ太陽も
両手いっぱい 今よみがえる
木の箱に いっぱいのべルマーク
やっぱり あなたは賢い人
「あらやだ」と少し照れ笑いして
二人で見上げた この記念樹
15年も前の物語
錆びついた鍵穴 こじ開けた
いつか話した 夢追いの軌跡が
ほこりかぶって 並んでいる
チクリ刺さった その夢のかけらに
少しおどけて 僕も笑う
一度 閉じ込めたはずの記憶に
目が覚めるよなカーテンコール
地中深くに埋めたシナリオに
今何かを確かめ合うように
僕が未来へ託したガラクタは
どれも使えないものばかり
だけどこうして 二人で会えたなら
そこにあるのは もうほら「宝物」
ゆらり揺られて 夏色の季節が
あの日のままに 弾けてゆく
響く拍手を 鳴りやまぬ歓声を
両手に受けて 今よみがえる
今よみがえる