深々と 降リ積もる白き雪の歌
凍てつく眼の先に 美しき赤鬼を見る
赤い 青い 鬼は 人は 獲物 敵 息をひそめ
木の葉 落ちる 刹那 光る いざや参ろうか
白刃閃き 火花を散らせ あかく 花がほころぶ
鬼よ 舞えや 人と共に (さあ 人よ舞えや 鬼はこちらぞと 唄う)
視線交われば 熱く揺れる 心 炎のように
僅か 時を 君と共に (さあ 僅かの時 あかく 彩れや)
鬼を追うは 人の子よ 喰いわれる前に 喰いらう者
死ぬか 生きるかの 逢瀬 互いの血に染まれ
この胸に 抱く名も知らぬ感情 秘して 美しき誇りを尊ぶ
白き 四肢を 首を 裂いて 狙え 喰らえ
息を 吐けば
月が 滿ちる これが 最後 いざや 参ろうか
白銀世界に 紅が散る 錆びた 匂いが滲む
幕を下ろせ 終わりを舞え (さ 人よ舞えや 首はこちらぞと 唄う)
視線交われば 熱く揺れる 心 炎のように
燃える想いを 切り裂いて (さあ 僅かの時 あかく 彩れや)
白刃閃き 火花を散らせ あかく 花がほころぶ
(さあ 人よ舞えや 鬼はこちらぞと 唄う)
視線交われば 熱く揺れる 心 炎のように
刹那 時を 君と共に (あ 刹那の時 あかく 彩る)
静けさに 雪の衣を 纏う花
かの鬼に似た紅よ 寒空の下 凛と咲く
ささやかに 胸に残る 名もなき花
この手の中 春をまだず 落ちる