蛍月夜
はらり舞(ま)ひ散(ち)る雪(ゆき)のや(よ)うに
飄搖如雪紛飛舞亂
儚(はかな)く纏(まど)ふ影法師(かげぼうし)
幻滅纏綿影法師
ひらりと踴(おど)り消(き)え逝(ゆ)くなら
搖曳如若裊裊炊煙散
せめて一夜(ひとよ)の
何堪一夜
光(ひかり)あれ
輝光已然
廻(めぐ)り廻(めぐ)る永久(とわ)の月(つき)の宴(うたげ)
盤旋如纏永久之月宴
背中(せなか)合(あ)はせの言葉(ことば) 交(か)は(わ)しても
背相倚促膝談
夜空(よそら)を埋(う)める幾憶(いくおく)の星(ほし)には
葬夜之穹星爍璀璨
僕(ぼく)の姿(すがた)だけが映(うつ)らない
吾影難映
君(きみ)を想(おも)ひ描(えが)く淡(あわ)い陽炎(かげろう)が今(いま)
思君之意難訴幽然殘陽在目
蝶(ちょう)の羽(はね)を揺(ゆ)らし灰色(はいいろ)に燃(も)やす
蝶羽紛舞凌亂化灰煙消雲散
たとへ全(すべ)てが瞳(ひとみ)閉(と)ざし
縱使浮生皆拋且罷鎖眸閉目
前(まえ)に進(すす)めなくなっても
舉步維艱
君(きみ)が行(ゆ)く道(みち)の先(さき)を
君之彼方
照(て)らしてあげる
吾甘為探
嗚呼(ああ) 僕達(ぼくたち)は
嗚呼吾等
明日(あす)を夢見(ゆめみ) 眠(ねむ)りを忘(わす)れた蛍(ほたる)
曉夢明日難眠之螢
弧(こ)を描(えが)き
輕劃曲跡
闇(やみ)をもがき
撕破黯淡
光(ひかり)に群(む)れる
熒光群集
オルケストラ
終(お)はり告(つ)げた祭(まつり) 靜(しず)けき夜(よる)
宣然告終幽然寂夜
顔(かお)を変(か)へた月(つき)を見(み)上(あ)げてゐた
仰天瞻月容顏為遷
空(そら)を目指(めざ)し延(の)びた枝葉(えだは)にそっと
長空為盡悄繁枝頭
解(と)けないやうに結(むす)んだ願(ねが)ひ
應是難解心頭夙願
君(きみ)の頬(ほほ)に觸(ふ)れて輪郭(りんかく)なぞるたびに
輕撫君顏摹其輪廓
香(かお)りに包(つつ)まれた思(おも)ひ出(で)が消(き)える
馥郁縈繞相思盡散
やがて全(すべ)てが瞳(ひとみ)閉(と)ざし
縱使浮生皆拋且罷鎖眸閉目
足(あし)が止(と)まったとしても
縱使絕步
君(きみ)の目(め)に映(うつ)る世界(せかい)
君之所見
一緒(いっしょ)に見(み)たい
與君共睹
嗚呼(ああ) 僕(ぼく)はもう
嗚呼吾等
君(きみ)を照(て)らす光(ひかり)になれないけれど
難為君探前路
手(て)を握(にぎ)り
執子之手
笑顔(えがお)くれた
解顰而笑
その目(め)に燈(とも)る
眸間寸光
君(きみ)の涙(なみだ)
君已潤眼
たとへ全(すべ)てが瞳(ひとみ)閉(と)ざし
縱使浮生皆拋鎖眸閉目
前(まえ)に進(すす)めなくなっても
舉步維艱
君(きみ)が行(ゆ)く道(みち)の先(さき)を
君之彼方
照(て)らしてあげる
甘吾為探
嗚呼(ああ) 僕達(ぼく)は
嗚呼吾等
明日(あす)を夢見(ゆめみ) 眠(ねむ)りを忘(わす)れた蛍(ほたる)
曉夢明日難眠之螢
手(て)に入(い)れた
方得於手
眩(まぶ)い光(ひかり)
熒光亂眼
抱(だ)き締(し)めながら
攬君於懷
君(きみ)を想(おも)ふ
思君難耐
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