迷彩
「ねえ一層遠く知らない街に隠居して
「餵要不乾脆隱居到一個遙遠莫名的城市
沈黙しませぬこと?
保持沉默?
きおんな日々には厭きたのさ
我已厭倦這樣的日子
ねえだうぞ攫つて行つて」
餵就把我帶走吧! 」
逃げ延びて水密桃(すいみつとう)に未練
無盡逃亡眷戀水蜜桃
砂みたいな意識と雲ふ次元で
在如細沙般意識的次元里
逃げ延びた暑さよ何邊(いずこ)へ
無盡逃亡的酷暑啊何去何從
揺れが生じ
橫生擺湯
其の儘怠惰に委ねた
就那樣寄託怠惰的
最後の青さ
最後的青澀
もう還らないと知つた溫度も
明知溫度一去不回
超へられぬ夜の恐怖色
卻也無法超越夜色恐懼
境界に澱むでゐた決心の甘さ
耽溺於界限的決心多麼天真
たうに喪(うしな)つた岸壁打つは
拍打早已喪失的岩壁
引いてくれぬ後悔と濤(なみ)の色
是永不再來的後悔與浪濤色
待ち侘びて凍る馨(か)は混凝土(コンクリイト)
久等而凍僵的馨香是混凝土
砂みたいな意識と雲ふ器官で
在如細沙般意識的器官裡
待ち侘びた寒さよ何邊へ
久等的嚴寒啊何去何從
揺れに動じ
因擺湯而動搖
此の儘愛情に模した
就這樣模擬愛情的
修正ペンの白さ
修正液之白
現狀を必死で繕つては
拼命修飾現狀下去
剝いだ素肌に恐怖色
讓剝落的肌膚染上恐怖色彩
傍観に徹してゐた感慨の淡さ
旁觀者清的淡淡喟嘆
たうに喪つた雷雨仰ぐは
仰望早就失去的雷雨
泣いてくれぬ殘忍な雲の色
是不再為我哭泣的殘忍雲色
最後の青さ
最後的青澀
もう還らないと知つた溫度も
明知溫度一去不回
超へられぬ夜の恐怖色
卻也無法超越夜色恐懼
境界に澱むでゐた決心の甘さ
耽溺於界限的決心多麼天真
たうに喪(うしな)つた岸壁打つは
拍打早已喪失的岩壁
引いてくれぬ後悔と濤(なみ)の色
是永不再來的後悔與浪濤色
終わり