CRESCENT MOON (Full size)
雨音(あまおと)でにじむ黒(くろ)い影(かげ)
君(きみ)がくれたぬくもりを
深(ふか)い霧(きり)の向(む)こうに
ぼんやりと浮(ふ)かぶ三日月(みかつき)は
微(かす)かに昨日(きのう)の僕(ぼく)を照(て)らす
二度(にど)となくさないように
ポケットに詰(つ)めたぬくもりさえ
握(にぎ)り締(し)めた手(て)のひら零(こぼ)れ落(お)ちた
忘(わす)れないよ想(おも)う強(つよ)さを
君(きみ)が流(なが)した涙(なみだ)を
水面(みなも)に寫(うつ)る夜空(よぞら)は
小(ちい)さなため息(いき)で消(き)えた
耳(みみ)の奧(おく)で聞(き)こえる
微(かす)かに殘(のこ)る悪夢(ゆめ)のカケラ
今(いま)だけ時間(じかん)を止(と)めて
あのころの僕(ぼく)に戻(もど)れるなら
君(きみ)のすべて心(こころ)に刻(きざ)み込(こ)もう
忘(わす)れないよ守(まも)る強(つよ)さを
水面(みなも)に浮(う)かぶ笑顏(えがお)は
小(ちい)さなため息(いき)で揺(ゆ)れる
いつか誰(だれ)も皆(みな)訪(おとず)れるという
忘卻(ぼうきゃく)のはるか彼方(かなた)
何(なに)も持(も)たずに裸(はだか)のままで
僕(ぼく)らは何(なに)を想(おも)うの?
誰(だれ)を最後(さいご)に想(おも)うだろう?
忘(わす)れないで忘(わす)れたくない
僕(ぼく)がここにいる意味(いみ)を
水面(みなも)に溶(と)けた記憶(きおく)は
今(いま)でも胸(むね)を焦(こ)がしている
終わり