帽子と水著と水平線
それは偶然であの日雨が降ったから
君に逢ったあの日雨が降ったから
青の水平線に晴れた空が落としていったもの
鮮やかな夕日を見て
もう始まっていたあっけなく好きになっていた
赤い帽子のツバが曲がって隙間から覗く
大きな瞳に夜が來たとしても
風が吹いてもあたし目が離せない
耳の中には星の砂の忘れ物
足首には約束の黒いひも
早くこっちにおいで離れちゃだめさ
危ないよ気を付けてこの手を離すな
もう始まっていたあっけなく好きになっていた
赤い帽子を風が弾いてくるり宙返り
目指す空の下色違いの指先
全部君にあげるよさぁ目を閉じて
背中の水著の跡もう一度焼き直そうか
小さな屋根の下で寄り添ったままいようか
もう始まっていたあっけなく好きになっていた
赤い帽子のツバが曲がって隙間から覗く
大きな瞳に夜が來たとしても
風が吹いてもあたし目が離せない
終わり