笙:水上から花は道も狹に
木漏れ日が足を止めたら
其処でお別れ
久:口に殘るずっと好きでした
戀い焦がれている時間など
ボクにないのだ
笙:「間違っても間違っても君は戀しちゃいけないよ」
バレないように耳打ちした
あの日は遙かの空
久:夜桜よ舞え踴れ
夢と歌詠鳥を乗せて
翌なき春まで行け
たとえ君が忘れてしまっても
笙:涼風よ舞え踴れ
夏と汗ばむ君の髪が雲に隠れても
ずっと見惚れたい
季節の折々にて
久:あやすように伽してくれた夜は
掬えども指の隙間を
するり溶けていく
笙:君に觸れて優しくされてから
待ち望んでいた季節が
いたずらに過ぎる
久:間違ったな間違ったな
君に戀してしまったな
甘いものはもういらないくらい
好きみたいです
笙:秋雨よ舞え踴れ
白帝と律の調べ頬の下紅葉
雨催い憂いを
傘で寄り添う理由に
久:風花よ舞え踴れ
夜の靜寂を連れて
その手左のぽっけに入れたら
寄り添おう
季節の折々にて
四季折々の風が
君を素敵に飾る
遠い
笙:夢のまた夢へ
ボクを連れて行ってよ
春と黒髪夏の淺瀬
秋色の頬
冬は寢起きの悪い君も
ボクはボクはどれも好きだったよ
久:山紫水明染まる君と百花繚亂の日々よ
記憶の彼方へ
笙:ずっと見惚れたい
久:ずっと觸(さわ)りたい
合:さよならさよなら
季節の折々にて