だらんと垂れ下がっちゃった
栄光の手をご覧
私の有り様
その體が無様に溫まるまで
歩きましょう
水ぶくれの跡が酷く癢くて堪えるような
爛れた夢の続きを見て泣いていました
大事にしてた秘密のおまじないふと唱えたら
わけもなく體が震えて正気になった
私たちもう一生
分かり合えないと
分かっていたでしょう
お互い幸せになりましょうね
文字すら読めぬ猿よ
遺言は短めにたいそうお気楽に
済ませるのが良いわ
だらんと垂れ下がっちゃった
栄光の手をご覧
あなたの有り様
目を見て話しましょう
お野菜を食べましょう
お勉強しましょう
それはまるで日の光に翼もがれた
イカロスのように
変わることも終わることもなく続く
眠りの箱のように
身に餘る寒さと
問いが襲いかかった
交差點に渦巻いている
悪意のような陽炎に
靴を履くのも怖くなって
泣いていました
鉄で出來た処刑台の床からふと伝わる
溫度だけで體が腐り落ちて気が狂った
私たちもうずっと互いのこと
好きじゃなくていいでしょう
私は幸せになれるのよ
ここじゃない所でも
私たちもう一生分かり合えないと
分かっていたでしょう
お互い幸せになりましょうね
忘れてよこの顔も
ぐわんと燃え上がっちゃった
栄光の手をご覧
私の有り様
肥大化した自我と安物ブーツは
脫ぎ捨てましょう
私たちもうきっと逆向きの電車には
乗れないでしょう
轢き潰してきたその全てに
一言懺悔と愛を
私たちもう一生分かり合えなくても
歩いていくんでしょう
お互い幸せになりましょうね
すれ違いませんように
お互い幸せになりましょうね
鐘の音が鳴る