まことしき想ひ
夢見せし うれしからまし
雨降らば 覚えず涙こぼれおつる
恋歌に心重ねし まことしき想び
見るに清潔けし月影 水面に落つ
思びそ焼くるわがこころ 姿こそ見えやらんとも
さもありなん 嘆げからず報いし寝覚めに
夢見せし うれしからまし
雨降らば 覚えず涙こぼれおつる
恋歌に心重ねし まことしき想び叶へし
こは いかでこの人のあいなし
げに 心及ばざることなき
いざ 今は漕ぎ出でなあへなし
かくて 夢に逢ふるのみ叶わむ
こは 我が心ゆへにかこらず
げに あらまほしきことなりけり
いざ おのづからこはずこほてね
かくて 然れば願い満つりて
こは 空せみの世こそ現に
げに 現しみの想び無くせず
いざ どぶらひてこころ捕へて
かくて 夢にあいみせし今昔