狂気に満ちた不可視の珠

月の噂｢遠い何処かの誰かが地上に墮とされた｣
月之傳言遠方有誰墜落大地
No answer どうでも良い與太話に花を咲かしていた
No answer 人們熱談著天方夜譚
柵など毛程も無くけれども今では伸ばせど手も屆かず
沒有柵欄但如今伸手也觸碰不到
數々の走馬燈辿る見えない何かを探していた
無數走馬燈旋轉尋找著看不見的什麼
確かめる気ままに歩き回る意識が交わる
確認隨意走動意識交錯
暖かな新たな場所での取捨選択手を差し出す
溫暖嶄新處取捨選擇伸出手
通せんぼ當然と思っていたものがこれ程までに難しい
不許通過以為理所當然的東西原來這麼困難
微かに感じたこの響きは確かに不思議と妙に懐かしい
微微感覺到的迴響的確不可思議又叫人懷念
幸せは永遠に続かず侵略者Enemy來る
幸福無法持續永遠侵略者Enemy將要到來
季節はひぐらし鳴く頃に暮らせなくなる程に
茅蜩鳴叫之季生計難以維繫
ただこの場を逃げ出した我が物顔
只是逃離這里為所欲為
人間達が立てた旗が何故だか不気味に揺らめいた
人們豎起的旗幟不知為何令人毛骨悚然
崩れる時は酷く脆く何も分からぬ事ばかり
崩塌之時殘酷脆弱盡是無解之事
巡り巡る目眩しく兎は全てを投げ捨て駆け出した
四下逃竄頭暈目眩的兔子捨掉一切倉皇逃出
狂気と混亂が渦巻く兎角始まる物語
狂氣與混亂飛旋混雜總之故事展開
紅の瞳に焼きつく狂気に満ちた不可視の珠
烙印在紅色瞳眸上狂氣滿溢不可視的珠玉
何が起きたか分からぬまま背景に聳える一つの波亂
不知發生何事背景是高聳浪濤
不安を更に煽らんと噂話真実は何処
傳言鼓動不安更甚真相在哪裡
不可視の珠兎の性戯言虛言の蟠り
不可視的珠玉兔子的性情戲言虛言的漩渦
嘔吐耐え駆けたWar 途絶えかけた今日に鳴く見つめる明日
忍住嘔吐狂奔war 窮途末路今日悲鳴凝視明日
風の噂藁にも縋る人目を避けて走り回る
風之傳言抓住稻草避人眼目四處奔跑
No answer 見當付かずただ闇雲に辺りを探す
No answer 無法預知只是胡亂搜尋周邊
迷いついに辿り著いた竹林の中での出會いから話し合い
迷路誤入竹林相遇後商談
全てを隠した元月の民に従えるも不可視からの再來
即使追隨隱瞞所有的月宮百姓仍是不可視的轉世
刺す様な月明かりがまず今日を打ち負かした
針刺般的月光姑且擊敗今日
成す術を無くしていた明日誰かが口ずさむ罪と罰
明日無計可施誰在哼唱罪與罰
隠れ戯れ思い出すは何時ぞやの光景
隱藏的戲謔的記憶是何時的光景
穢き世無価値の珠の真下にて赤い不可知の花を咲かした
污濁世間一文不值的珠玉下方開著紅色不可知的花
光求め闇を取り巻く永く続いた物語
追求光包圍黑暗永不完結的故事
狂気とのハザマに佇む穢き世の美しき檻
佇立於狂氣的夾縫污濁世間中的美麗囚籠
時をも止め夜を巻き込むまた一つ終わる物語
停止時間捲入黑夜又一個將要結束的故事
紅の瞳に焼きつく狂気に満ちた不可視の珠
烙印在紅色瞳眸上狂氣滿溢不可視的珠玉
｢籠女、籠目｣ ｢何時、何時出やる｣
圍呀圍圍呀圍籠中小鳥幾時飛
繋がりがくれた事ばかり始まりと終わりはひぐらし鳴く頃に
盡是不關聯之事茅蜩在起始與終止鳴叫之時
賤しい民と月の狹間穢れき世と遮斷された美しき檻
卑賤百姓和月宮的夾縫隔離污濁世間的美麗囚籠
｢籠女、籠目｣ ｢何時、何時出やる｣
圍呀圍圍呀圍籠中小鳥幾時飛
未だに忘れない物語民達の御伽噺が似合う程に
仍未忘記的故事世間故事大抵相似
永き夜の中輝いた狂気に満ち溢れ隠された不可視の珠
在永夜中閃耀狂氣滿溢不可視的珠玉
地上の噂夜が止まる発端は閉ざした扉の向こう
人世的傳言黑夜停止起源是緊閉門扉的另一邊
No answer 真実を隠した闇に溶かした時は不動
No answer 隱瞞真相融化在黑暗中時一動不動
地べたを這い蹲る賤しき民入れ替わり立ち代り
匍匐於地的卑賤百姓世代交替
ターニングポイント通過幻想の中知る由も無い陰る月の明日
通過分歧點幻想中無從得知的月宮明日
異変を察知した者達と朧気な物語の最初
察知到異變的人們與故事模糊的最初
唐突なスタート全てを変えたのは人間の月侵略
唐突開端改變所有的是人類對月宮的侵略
異変を察知した者達と見屆けた物語の最後
察知到異變的人們與故事看完的最後
また新たに始まる物語を書き足し皆と共に歩こう
又將續寫新的故事一起往前
光求め闇を取り巻く永く続いた物語
追求光包圍黑暗永不完結的故事
狂気とのハザマに佇む穢き世の美しき檻
佇立於狂氣的夾縫污濁世間中的美麗囚籠
時をも止め夜を巻き込むまた一つ終わる物語
停止時間捲入黑夜又一個將要結束的故事
紅の瞳に焼きつく狂気に満ちた不可視の珠
烙印在紅色瞳眸上狂氣滿溢不可視的珠玉