時代おくれの酒場
この街には不似合な
時代おくれのこの酒場に
今夜もやって來るのは
ちょっと疲れた男たち
風の寒さをしのばせた
背広姿の男たち
酔いがまわればそれぞれに
唄の一つも飛び出して
唄を唄えば血がさわぐ
せつなさに酔いどれて
気がつけば窓のすきまに
朝の気配がしのびこむ
あーあどこかに何かありそうなそんな気がして
俺はこんな所についつまでもいるんじゃないと
この街には住みあきて
俺の女もどこかへ行った
あいつ今頃どこでどうして
どんな男といるんだろう
夢のにがさを知りもせず
夢をさがしているんだろう
あーあどこかに何かありそうなそんな気がして
俺はこんな所にいつまでもいるんじゃないと
この街には不似合な
時代おくれのこの酒場に
今夜もやって來るのは
違う明日を待つ男
今夜もやって來るのは
昨日を舍てた男たち