火刑の魔女
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暴食
罪行:暴食
罪を祀る歪な祭壇
【供奉罪惡的扭曲神壇】
神に捧げられた屍
【獻祭給上帝的屍體】
君は何故
【你為何】
この境界を越えてしまったのか
【越過了這個界限呢】
…さぁ、唄ってごらん。
【…來,唱給我聽聽吧】
《 Märchen 》
Vol.02
火刑の魔女
【受火刑的女巫】
幽かな記憶の
【就像牽扯著】
糸を手繰るように
【幽暗的記憶之線】
仄昏い森へ
【踏入了】
足を踏み入れた
【微暗的森林之中】
幼い記憶の
【就像追尋著】
途を辿るように
【幼時的記憶之路】
入り組んだ森の
【前往了】
奧へと進んだ
【繁茂的森林深處】
小川を渡り
【渡過小河】
[04:16.27]お化け樅の木を左へと
[04:16.27]【在大冷杉處向左拐】
[04:21.66]其処に佇む
[04:21.66]【靜靜佇立在那的是】
[04:24.60]私の生家
[04:24.60 ]【我的老家】
物心ついた時には
【懂事的時候】
既に父の消息は不明で
【父親已經去向不明,】
私と母は何時も二人
【我和母親兩人一直】
とても貧しい暮らしだった
【過著貧困的生活】
井戸に毒を入れた等と
【朝井裡投毒之類的】
(出てけー!出てけ!気持ち悪いんだよ!)
【(“滾出村子!滾出去!真討厭哪!”)】
謂われなき罪で虐げられる事も多く
【常常因為莫須有的罪名受虐】
(うわぁっ)
【(哇)】
(気持ち悪いんだよー!)
【(真討厭哪!)】
私にとって友達と言えるのは
【對我來說所謂朋友】
(ついてこないでよー!)
【(不要跟過來啊!)】
森の動物達だけだった……。
【就是森林裡的動物們而已……】
(魔女ー魔女ー!)
【(女巫—女巫—)】
それでも
【可是】
嗚呼
【啊啊】
ねぇお母さん
【喏媽媽】
私は幸せだったよ
【我很幸福呢】
その理由を
【這理由】
ねぇ知ってた?
【喏 知道嗎? 】
貴女が一緒だったから
【因為和您在一起啊
それなのに
【可是】
何故
【為什麼】
母は
【媽媽】
私を捨てたのか?
【不要我了? 】
どうしても
【不管怎樣】
それが
【也想】
知りたくて……
【知道……】
小さな私を拾ってくれたのは
【收留幼小的我的是】
大きな街にある修道院だった
【大街旁的修道院】
けれど
【可是】
激しく吹き荒れた改革の嵐と
【由於刮起猛烈的革新風暴】
(墮落した聖職者共を、一掃するのだ!)
【(把這些墮落的神職人員全清理掉!)】
新教徒達の手によって
【被新教徒們】
嗚呼無慘にも破壊された
【啊啊殘忍地破壞】
(町境の聖堂臺を打ち壊せ! )
【(把全城的佈道壇都給我砸掉!)】
(真の信仰を我らの手で!!)
【(真正的信仰掌握在我們手中!)】
人生は數奇のもの
【人生坎坷】
運命は判らないから
【由於不知道命運】
ひとつの終わりは
【只能相信終結】
新しい始まりと信じて
【也就是新的開始】
勇気を持って
【鼓起勇氣】
積年の疑問を
【多年的疑惑】
解く為に
【為了弄清】
故郷を探す
【踏上旅途】
旅を始めた
【尋找故鄉】
小川を渡り
【渡過小河】
私の來訪を待っていたのは
【等著我的是】
(ただいま、お母さん
【(我回來了,母親)】
石のように歳を取った老婆で
【像石頭一樣的老婆婆】
(おお。聖人様の遣いの方。よくきてくださった。)
【(啊。你就是聖人派來的使者啊。來的正是時候。 )】
まるで見知らぬその女性が
【似乎未曾謀面的女性】
(禦口に合いましたか)
【(合您口味嗎?)】
母であるとは俄には信じ難く
【一瞬我難以相信她就是母親】
(幾らでも食べられるのぉ!)
【(不管幾個我都能吃下!)】
娘<わたし>であると気付く事もなく
【她未能注意到女兒<我>】
(嗚呼、私が誰だか判らないのですか!?)
【(這,您難道不記得我是誰嗎!?)】
唯、食料を貪る母の瞳は
【雙眼只是貪婪地盯著食物】
(何を訳の判らないことを言ってるんだい…)
【(你在說什麼亂七八糟的!…)】
(お前も私を差別するのか!)
【(你也瞧不起我嗎!)】
既に正気を失っているように思えた。
【我覺得她已經失去了理性。 】
(寄越せ!もっと食い物を寄越せ!)
【(給我!給我更多吃的!)】
そして……。
【然後……】
「きゃああああああ!」
【“呀啊啊啊啊啊啊!”】
改宗したけれど時は既に遅く
【盡管改宗信教,已經為時過晚】
一人の食い扶持さえもう侭ならなかった
【一個人的口糧都不能保證】
懺悔を嗤う逆十字
【逆十字嘲笑著我的懺悔】
祈りは屆かない
【祈禱沒能奏效】
赦しも得られぬまま
【沒有得到赦免】
罪だけが増えてゆく……
【反而不斷加深罪惡……】
成る程…
【原來如此…】
それで君は、祀られてしまった訳だね?
【你是這樣才成為祭獻品的呢】
不本意ながら。
【雖然並非本意…】
少々時間は掛かるが
【雖然會花點時間】
子供の憾みは子供が晴らすものさ。
【但孩子的怨恨就該孩子去消除嘛】
宜しいかな?
【可以嗎? 】
さぁ
【來吧】
復讐劇を始めようか。
【復仇劇開演吧。 】
森に置き去りにされた
【被扔在森林裡的】
可哀想な兄妹<子供達>
【可憐的兄妹<孩子們>】
捨てられた子の
【這被棄之子的】
悲しい気持ちは
【悲傷感覺】
痛いほど解るわ
【我痛切地清楚】
嗚呼
【啊】
鳥達を操り
【我操控著小鳥】
パン屑の道標を消し
【清除麵包屑做的路標】
(パン屑が…食べられている)
【(麵包屑…被吃掉了)】
真雪のように
【讓這雪一樣】
(あっ!ねぇ、お兄ちゃん、面白い鳥がいるわ)
【(啊!喏,哥哥,那隻鳥真有趣!)】
真っ白な鳥に
【潔白的小鳥】
歌わせて誘った
【用歌聲引誘】
(本當だ。追いかけてみよう!)
【(真的誒。追過去看看吧!)】
見て
【看啊】
【Hänsel】お兄ちゃん。
【【漢斯
ほら、あそこに家があるわ!
【看,那裡有座房子呢】
でも
【可是】
【Gretel】それは
【【格蕾特
怖い魔女の家かも知れない……
【說不定是可怕的女巫的家呢……】
けど
【不過】
けど?
【不過? 】
腹ぺこで……
【比餓著肚子……】
死ぬよりましさ!
【死掉要好嘛! 】
誰かいませんか?
【有人在嗎? 】
おやまぁ、可愛いお客様だこと。
【哎呀,原來是可愛的小客人】
腹が減ってるのかい?
【肚子餓了吧? 】
さぁ、中へお入り
【來,快進來】
屋根は焼き菓子
【屋頂是姜餅】
窓は白砂糖
【窗戶是白糖】
お菓子の美味しい家を
【我這糖果做的美味房子】
栫えてあげようかねぇ!
【就給你們吃個夠吧! 】
嗚呼遠慮はいらないよ
【啊啊不需要客氣呀】
子供に腹一杯食べさせるのが
【給孩子們吃個飽】
私のささやかな夢だった
【是我小小的夢想啊】
嗚呼金貸しだった夫は
【啊啊我那放高利貸的丈夫】
生きては帰らなかったけど
【雖然沒能活著回來】
幾許かの遺産を託けてくれていた……
【還是留給了我一些遺產……】
老婆の好意に
【由於老婆婆的好意】
(うまい!うまい!Gretelも食べなよ!)
【(好好吃!好好吃!格蕾特
無償の行為に
【由於這無償的舉動】
甘えた兄妹<二人>は
【兄妹<兩人> 趁著這機會】
(うん!美味しいね、お兄ちゃん)
【(嗯,真好吃啊,哥哥)】
食べ続けた
【吃個不停】
(うまい!)
【(真好吃!)】
少女はある日
【有一天少女】
(お、お兄ちゃん!?)
【(哥、哥哥!?)】
丸々太った
【察覺到少年】
(うまい!Gretel、要らないんだったら)
【(好吃!格蕾特
少年を見て
【胖得圓滾滾】
(お前の分もくれよ)
【(你吃飽了的話,把你的份也給我吧)】
怖くなった
【讓她感到恐懼】
嗚呼、老婆は魔女で
【啊啊、老婆婆是女巫】
二人を食べちゃう心算なんだわ!
【打算吃掉我們兩個啊! 】
殺られる前に
【在被殺掉之前】
殺らなきゃ
【不先下手的話】
ヤ・バ・イ!
【就不•妙•了! 】
背中を
【背後】
ドン!
【咚! 】
と
【一下】
蹴飛ばせ! !
【踢倒她到火爐裡面! ! 】
「うわぁぁぁぁぁぁ…」
【“呀啊啊啊啊啊啊!”】
私達を食べようだなんて、そうはいかないんだからね
【想把我們給吃掉,可沒門呢】
すごいぞグレーテル。これで魔女もおしまいさ
【好厲害啊格蕾特
お隣のTomasにも自慢してやらなきゃね!
【也得告訴那邊的托馬斯
ああ、悪い魔女は火あぶりだ。これでこの家は
【對,壞女巫就該被燒死。那麼,這間房子就是】
私(僕)達のもの! !
【我(咱)們的啦】
おーい、Tom
【餵 托姆】
Tom!
【托姆】
よお、Hans!ってお前、何でそんな太ってんだ?
【餵 漢斯
じゃっじゃーん
【鏘鏘~】
うっひょー! 、ひょー!こいつはついてるぜ!
【哇哦,喲!這真是太走運啦! 】
きゃっきゃうふふ
【嘻哈哈】
森に住む孤獨な老婆は
【孤零零住在森林裡的老婆婆】
全て魔女なんだそうだよ
【據說都是女巫呢】
モゥ、子供ナンテ図々シクテ噓吐キデ
【真是的,孩子們厚臉皮又愛說謊】
私ハ大嫌イ。
【我最討厭了】
アハハハハハ!
【啊哈哈哈哈! 】
END
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