毆雨
夜明けの犬も歩けば行き止まり
お月様を照らす水溜まり
よけながらぽっかり
開いた懐にわだかまり
何故か胸が張り裂けそうさ
喉が締め付けられるような
この要塞から抜け出ようと試みる度に振り出しに來る
今にも落ちて來そうな空に壊れそうな迄にのしかかる重荷
押し潰されそうな気力
CDみたいに傷付いて飛んだ記憶
嬉しい事も、辛い事も
別れた友、淡い過去を
諸々、想い返すだけで
熱い涙ぽとぽと
落とす程心が綺麗なら
きっと別の道を歩んでるんだろう
目くるめく、変わる街を愛でるべく
項を涼しく、走るんだろう
やっと、手に入れた筈の幸せ
守るために頑なに足枷
付けて働け、と言い聞かせ
期待してみる蟲の良い知らせ
その日暮らしの儚さよ
夜の寢床の暖かさよ
時の流れの冷ややかさよ
人の身振りのしたたかさよ
だって誰もが指先は泥々
でもそろそろ魂が笑う頃
誇り捨てて積もった埃払う程
景色も変わって見えるもの
人と繋がることにも稅を課す
世の中で生き殘って精を出す
どうか今日の願いが葉いますように
明日には気分が晴れますように
勝ち負けで決まる価値
過ちで溢れる泡の街
新聞を開けば、噓ばかり
テレビを付けたら、空騒ぎ
そんな風に感じる時は
外に出れば、感じる一際
骨に染みる空気の美味しさ
空に染まる故郷の戀しさ
ああ、僕は何処に帰れば良いのか
此処でいつまで耐えれば良いのか
住めば都、されど都は去れと言う
でも誰も彼も去れずに居る
のは何故だろうと問いかける
鳶色の夢を、追いかける
獨りで天國に打ち明ける
祈りのロケットを打ち上げる
ボケッと突っ立ってるように見えて、
実はやるせなさを嘆いている
迷子のヘンゼルとグレーテル
都會の片隅で震えてる
離れる程、戻りたくなる
荷物まとめて、帰りたくなる
しこりが溶けて、柔らかくなる
変わらぬ物を、愛したくなる
本音はね、疲れちまってる
好きだけれど、嫌々やってる
本音はね、あきれ返ってる
我慢し過ぎて普通になってる
本音はね、忘れちまってる
思い出すにも出せなくなってる
本音はね、今でも待ってる
汚れててもたまに磨いてる
そう誰もが指先は泥々
でもそろそろ魂が笑う頃
誇り捨てて積もった埃払う程
景色も変わって見えるもの
人と繋がることにも稅を課す
世の中で生き殘って精を出す
どうか今日の願いが葉いますように
明日には気分が晴れますように
まだ君が住むこの街に
殘る想い出を集めに
雨の信號待ち明日の雲はどんな形
無邪気に笑う子供たち
手と手を繋ぐお友達
の友達も同じ輪っかに
真っ赤に燃える旅立ちの陽