現吾姿態
そのいでたちして
竟無不似人之處
人にも似ぬものもなく
然其髮色赤赤然
されどその髪の色はあかあかと
竟似人肉軀之色
人の肉の色にも似て
自何時誕生於世
又自何時墮落身軀
いつより生まれて
那是數數從體內湧出之物
いつよりその身を落とした
憶起血的味道
それは何れも內より出でたもの
深山幽幽
血の味を覚えて
有大江山
夫處即成吾居所
深山は深く
斷絕渡生之道
大江山に
此副身軀仍不得不存活
あれらが居所となり
雖欲替為何物
無論為如何如何之壯丁
わたるたづきも絶えてなお
既為人之子全部一個下場
この身よ生きねばならぬ
至少於鬼不在之時
何に替えようと
將心擊碎
將為誘往何處乎
いかないかな兵とて
無途再返浮世兮
人の子なれば皆同じことよ
住嘴
鬼の居ぬ間にその心
塞口噤聲
砕け
尚在那手臂存在之時
いずこへいざなわれるのか
不失人心中之物
にどとうきよにかえれぬか
為吾生業
決無似人處之物
あなかま
然在青青下澈中
口を噤め
竟似人魂魄之色
その腕のあって尚
夫昔時
人情あるものを失わず
曾為人畏懼
然不覺中已為人親手處置
そのなりわいして
唏噓彼鋼鐵磬音
けして人には似ぬこと
彼方遙遙
ならばそのわざ照らすはあおあおと
有羅城門
人の魂の色にも似て
今宵之愚蠢者
雖重獲渡生之道
その昔には
此副身軀仍不可不存活
人に畏れられては
若弗替為何物
されどいつしか人の手にかかって
無論依如何如何之道理
あああの鋼の音
既為人之子全部一個下場
至少於鬼在之時
あれなるは遠く
將心撼動
羅城門に
誘向絕途之夫兮
今宵の愚かしきもの
以人為食宿命也
住嘴
わたるたづきを得てもなお
塞口噤聲
この身は生きねばいけぬ
感手臂之劇痛
何に替えねば
不失人心中之物
人兮見之宿於心內之鬼
いかないかな理さえ
視其鬼也震軀而怯恐
人の子なれば皆同じことよ
鬼兮見之宿於心內之人
鬼の居る間はこの心
視其人也然無再返人之身
力け
無論於如何如何之故事
いずこへといざなうものぞ
既為鬼之子全部一個下場
ひとをくらうがさだめなり
至少於人在之時當被討伐
風響兮
あなかま
雖游離此處彼方
口を噤め
立地即有天之道
その腕の痛みして
住嘴
人情あるものを失わず
塞口噤聲
雖還回手臂
人はみなそのこころのうちなる
但願不失人心中之物
鬼をみて恐れおののく
撂斃吧
將鬼的聲音
鬼はみなそのこころのうちなる
現仍持續的鬼退治
人をみてされども人に戻れず
但願不失人心中之物
いかないかな物語も
鬼の子なれば皆同じことよ
人の居る間に討たれなん
風け
いずこへといずこなれども
このあるところ天の道
あなかま
口を噤め
その腕を戻しても
人情あるものを失わぬよう
斃せ
鬼の聲を
未だ続く鬼退治
人情あるものを失わぬよう