夜の蟬
誰もいない真夜中の街で一人
舍てられたままの夢の欠片や
葉わなかった想いの拔け殼を
拾い集めては風に飛ばそうか
何處かにいる誰かに屆け
聞こえるだろう?
夜の蟬が鳴いている
僕はここにいるよと
力の限り鳴き續けている
ねぇ殘された時間をただひたすら生きて
命の盡きるまで羽ばたくのだと
まだ僕等は暗い土の中にいて
幸福という名の匣を探してる
けれどいつ日かその匣の中には
微笑みと同じ數の悲しみが
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あることに氣づいたとしても
怖れないで
夜の蟬が歌う
限りのあることが
どんなに大切なことなのか
さぁ僕等に殘された時を抱きしめたら
羽ばたこう短い夏が始まる
砂のように零れ落ちる日々と出會いの中
忘れてきたことがないように
聞こえるだろう?
夜の蟬が鳴いている
僕はここにいるよと
力の限り鳴き續けている
ねぇ殘された時間をただひたすら生きて
命の盡きるまで羽ばたくのだと