スレイプニル -sleipnir-
教科書ノート切れ端に
落書きした僕の世界は
やたらと不憫な毎日
なんだか天気も良くない
物語の主人公になったら
こんな僕でもさ変われるのかな
ひかるは踵の音色
透き通った羽模様
語るは人言葉のような輝く天馬
翔けぬけてきた空は疾風迅雷
僕の目の前今現れた
空高く架ける橋は
とんでもないほど綺麗だ
白馬は僕を見ている
「さぁ今こそ手を伸ばせ」
スレイプニル
たなびくタテガミと
風をかわす様に
踏み込んだ蹄の跡
僕は空の騎士
その馬體(からだ)に身を任せ
天空の虹の橋へ
手綱をきる時が來た
物語の始まりは
突然やってきたんだ
白馬に跨がりながら
大きな空を走り出す
町並みが遠く離れて見えた
僕の思い出たちさようなら
ああそうだ思い出した
楽しいも辛いも全部
持って行けたらいいのに
もう僕は戻れない
スレイプニル
涙の雨の中
振り返らずに
空高く上って行く
僕の行く先を
告げる事もないまま
天空の光る場所へ
旅立った空よりの使者
迷いや悲しいことが
たくさん有ったのはほんと
だけどそれはもうやめた
向かうは虹色の國
スレイプニル
魂の行く先を
連れて舞い降りた
輝く星達の使者
僕は還らない
運命に身を委ね
終わる事もない
物語読み続けてく
だから
スレイプニル
僕達を連れて行け
風をかわす様に
踏み込んで前に進もう
僕は空の騎士
その馬體(からだ)に身を任せ
天空の虹の橋へ
手綱をきる時が來た