物語の最初と最後はいらない
この桜 誰が埋めたのか
朽ちるときも知らぬ間に
物語の最初と最後はいらない
血続きでつながる夢現に
何を羽織るかを考えるだけで
心の内側にくいこんでくるものは
裏切らない記録になり
崩れかけてく樹に手に差しのべていく
移ろいこそが生きている物語
びっしりと書き込まれていく
擦れた表紙に手に置いた
物語の最初と最後は
誰かに覚えていてもらいたいだけの
石に刻むものを探してるだけ
心ゆらぐものに靴を履かせていく
切れた音を鳴らしても
旅の話を今しゃべらせてはいけない
土の上に横たわる物語
心の内側にくいこんでくるものは
裏切らない記録になり
崩れかけてく樹に手に差しのべていく
移ろいこそが生きている物語