薔薇の塔で眠る姫君
傲慢(Hochmut)…… 傲慢(Hochmut)……
傲慢(Hochmut)…… 傲慢(Hochmut)……
「呪いと祝いの境界。乙女が落ちた闇。深い微睡みの中。」
“詛咒和祝福的境界。少女墜入黑暗。在深沉的微睡之中。”
「薔薇の塔。眠る姫君。
“薔薇的高塔,睡在裡面的公主。
君は何故、この境界を超えてしまったのか。 さぁ、唄ってごらん。 」
你為什麼會越過這道境界呢?來,用歌聲告訴我吧。 ”
微睡みの森に踴る百の孤獨と
那微眠的森林之中隨千千的孤獨起舞
月影に蝶は朽ちて死の夢を見る
蝴蝶在月影中凋落我在做著死亡的夢
【七の罪科(Siebt Schuld)】
【七宗罪(Siebt Schuld)】
野ばらに抱かれて眠る理由は
―― 我被野薔薇懷抱著睡去的原因是——
水浴びた妃(はは)が聴いたのは身籠もり告げし蛙の聲
王妃(媽媽)在洗澡時聽見青蛙告訴她她已經懷孕
「お望みの禦子が、一年経たずに、お生まれになるでしょう」 「まあ…!」
“你期望的後代,再過不到一年,就要降生到世上” “哎呀…!”
歓びて王(ちち)が催したのは姫(わたし)の誕生祝う宴
大喜過望的國王(爸爸) 為公主(我)誕生舉辦了盛大的宴會
黃金の皿が一枚足りずに事件は起こってしまった……
…… 只因黃金的碗碟少了一個事件就由此引發……
【七の罪科(Siebt Schuld)】
【七宗罪(Siebt Schuld)】
戀も知らずに死せる処女(おとめ)が
不知戀愛滋味的死去的處女(少女)
【七の罪科(Siebt Schuld)】
【七宗罪(Siebt Schuld)】
野ばらに抱かれて眠る理由は
―― 被野薔薇懷抱著睡去的原因是——
「おーよくぞ參った」 「よく來てくれましたね。」
“哦哦!您幾位終於來了!” “歡迎諸位來做客。”
「お招きいただき光栄ですわ陛下。姫様へのお祝いに美徳をお送り致しましょう」
“受到陛下的招待真是無比光榮,請讓我們送給公主禮物……”
「私は美貌を!」 「それでは私は富を」 「では私は…」
“我送給她美貌。” “我送給她財富。” “我送給她……”
「あーらこれはこれは、皆様お揃いで。 今宵もご機嫌麗しいようで、結構ですこと。
“哎呀,沒想到大家都到齊了呢。諸位可真是盡興啊!真好……
オッホッホッホ! 全く、いい面の皮だね! ! 」
哈哈哈!真是的,你們好要臉啊! ”
「失禮な!」
“你太失禮了!”
「國中に散らばる、神通力を持つ賢女達を全て、招いておきながら…
“傲慢的國王,你招待全國有神力的賢女,卻不招待我……
私だけ招かぬ傲慢なる王よ、祝いの宴席に呪いを添えてやろう! 」
我要給你慶祝的宴席添上詛咒! ”
「姫が抱く運命、僅か餘命十五年。
“公主面臨的命運是——只有十五年壽命。
紡錘(つむ)にさされて、床に倒れて、死ぬがいい! 」
她將被紡錘刺到,倒在床上死去! ”
「いいえ―」
“不——”
「《十三人目の賢女(Alte Rose)》よ。不吉な言の葉。退けよう。
“'第十三位賢女(Alte Rose)',我要抵消你那不吉的預言。
百年。死んだと見せて、寢台の上、唯、眠るだけ! 」
雖然公主看似會死,但她只會在床上睡一百年! ”
「ならば、どちらの力が、
“那麼,就看我們——”
上回っているか、
“誰的力量比較強——”
嗚呼、流る時のみぞ識る……」
“啊,只有流動的時間才知道真相……”
「十五年後が楽しみだねぇ、Aprikose?」
“十五年後走著瞧,Aprikose……”
「うふふ、どうかしら?」
到底會怎樣呢? ”
「オッホッホッホッホッホッホ!」
“呵呵呵呵呵……”
朝と夜は繰り返す。
晝與夜輾轉往復。
望もうとも、望まざろうとも。
不管希望也好,不希望也好,
光陰は矢の如く過ぎ去り、大樹にも幾つかの年輪を刻む。
光陰都如箭一般飛過,大樹也增加了幾道年輪。
齢十五の朝を迎えることとなった、そんな私が
於是,我迎來了十五歲生日的早晨……。
【七の罪科(Siebt Schuld)】
【七宗罪(Siebt Schuld)】
野ばらに抱かれて眠る理由は
―― 我被野薔薇懷抱著睡去的原因是——
「ドキドキだ」
“好緊張啊……”
燭台の揺れる焔仄昏い闇を照らす石壁の部屋を廻り古い塔へ上がる
燭台搖曳的光焰照亮壓抑的黑暗繞著石造房間走上古塔頂端
狹い螺旋型(ねじ)の階段を昇ると部屋の中獨り老婆が麻を紡いでいた
走上狹窄的螺旋形樓梯在塔頂房間中把單獨紡線的老太婆找見
「こんにちは、お婆さん。ここで何してるの?」
“你好啊,老婆婆,你在這裡做什麼?”
「糸を取っておりますのじゃ」
“我在這裡紡線呀。”
「じゃあ、それなぁに?面白そうに、ぐるぐる跳ね回っている物!?
“那,這是什麼?這東西看起來好好玩,在咕嚕咕嚕地轉著呢……
あっ! …なに…んん」
啊! …怎麼了…”
「くひひひっ…」
“嘻嘻嘻嘻嘻……”
「なるほど、それで君は野ばらに抱かれた訳だね。
“原來如此,你就是這樣睡在野薔薇的懷抱中的呀。
目覚めへと至る、口づけが欲しいのかい? だが、殘念ながら、私は君の王子様じゃない。
你想要別人來吻醒你嗎?但很可惜,我不是你的王子。
さあ、もう暫し。運命の相手は、夢の世界で待つものさ」
來,再等一會吧。你的真命天子正在夢中的世界中等你呢……”
僕の理想の花嫁は何処に居るのだろう?
我理想的新娘在哪裡?
嗚呼西も東も北も南も雨にも負けず風にも負けず
東西南北全找遍頂風頂雨不言厭
探したけれど見つからないのさ……と思ってた矢先に
到處都找到處都不見…在這麼想的時候
素晴らしい噂を聞いた
―― 那絕妙的傳聞流過我的耳邊——
~野ばらの生垣に抱かれた白亜の城~
野薔薇造的城壁懷抱著白堊之城
空を望む薔薇の塔眠る美しい姫君~
仰望天空的薔薇之塔睡在塔中的美麗公主~
嗚呼唯野ばら姫の伝説(いいつたえ)を聞いただけで運命感じた
我一聽見野薔薇公主的傳說就感覺是命運將我排編
彼女こそがきっと僕の《捜し求めていた女性(Alice)》なのだろう
只有她才是我的“不斷尋找的女性(Alice)”吧
ならばどんな困難も乗り越えてみせよう!
那麼無論怎樣的困難我都要把它們踢到一邊!
迷いの森の霧が晴れてゆく
迷路森林的霧氣消散景色浮現
僕を誘ってくれるのか?愛しい姫のもとへ
你是在引誘我嗎?引誘我去親愛的公主那邊
棘の生垣が口を開けてゆく
荊棘城壁的枝條消退入口展現
僕を導いてくれるのか?愛しい彼女のもとへと
―― 你是在引導我嗎?引導我去親愛的“她”那邊——
燭台の揺れる焔、微睡んだ闇を照らす。
照亮微眠黑暗的是燭台的光焰
石壁の部屋を飛ばし、古い塔へ上がる。
我跑過石屋進到了古塔中間
狹い螺旋型(ねじ)のの階段を上ると
―― 走上了狹窄的螺旋形的樓梯
部屋の中、獨り、乙女が橫臥っていた……。
在房間中把孤獨橫臥的你找見……
「さぁ、姫よ。心の準備はよろしいかな?」
——“那,公主,你準備好了嗎?”
「いただきます」
“我要吻了。”
「ん~んっ」
“唔唔唔唔……”
「復讐劇の始まりだ!」
——“來吧,復仇劇開幕了…”
予定調和な王子の接吻で姫が目覚めると、
王子通過前定和諧的接吻使公主甦醒,
役割を終えた野ばらは、立ち所に立ち枯れて朽ち果て、
結束自己任務的野薔薇當場枯萎殆盡,
長過ぎる午睡を貪っていた城の愉快な面々も、
城裡愉快的人們剛從漫長午覺中醒來,
何事も無かったかのように、彼等の愉快な日常を再開した。
像沒事一樣重新開始愉快的日常生活。
【七の罪科(Siebt Schuld)】
【七宗罪(Siebt Schuld)】
気高き王女を呪うなんて
你詛咒高潔的公主
【七の罪科( Siebt Schuld)】
【七宗罪(Siebt Schuld)】
傲慢なのはお前の方よ
這恰恰證明了你的傲慢——
「誰ぞ!Alte Roseを捕らえよ!」 「「はっ!」」
“來人哪,把Alte Rose給我抓起來!” “遵命!”
「もう二度とこの國の土を踏めぬものと思え!」
“你別想再踏上這個國家一步!”
「野ばら姫よ!忘れるな、置き土産にもう一つ呪いをくれてやろう!
“可惡的野薔薇公主,不要忘了,我還留下了另一個詛咒!
ふっはは…あーはっはっは! 」
哈哈哈……啊哈哈哈! ”
「靜まれ!」
“閉嘴!”
――そして彼女は、 生まれた姫を森に捨てることとなる……。
——於是,她把生下來的公主扔到了森林裡……
「アレハ転ンデモ、タダジャ起キナイ女ネ」
“她真是個睚眥必報的女人啊。”
「ご婦人方の矜持を傷付けると、恐ろしいことになるんだね。」
“傷到女士的自尊,後果可是很嚴重的。”
「アラァ、當然ヨ!」
“哎呀,當然啦!”
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6 | 聖戦のイベリア | |
7 | よだかの星 [Short ver.] | |
8 | Chronology [2005-2010] | |
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