少女カナリアと煉獄

八番街の路地を曲がれば
轉進八號街的小巷
見えるだろ
看見一道
赤い扉が
紅色的門
彼女がかつて
她曾經
歌ってたのさ
在那裡歌唱
陽が沈めば
夕陽西下
ショーの時間
便是表演的時間
安い香水
廉價的香水
趣味の悪いドレス
沒有品位的洋裝
似合いの古びたステージ
與此適合的破舊舞台
「歌えればいい
「可以唱歌就好
それだけでいい」
只要如此就好」
化粧落とし彼女は言った
卸下化妝的她這樣說
札束受け取り
收下大把錢
慌てるオーナー
慌張的店主人
買えないモノなど何も無い
買不到的東西這世上是沒有的
こうして僕は
愚蠢的我
愚かな僕は
就這樣
彼女から歌を奪った
從她那裡奪走了歌聲
流行りの服で
流行的服飾
高価な寶石で
高價的寶石
愛おしい君を飾ろう
裝飾我心愛的你
あんな酒場で
不要再在
歌うことはない
那種酒場唱歌了
金ならある
要金錢的話
腐るほどにね
我這裡多得很
歌っておくれ
唱歌吧
僕のために
為了我而歌唱
愛しいカナリアの君よ
我心愛的金絲雀一般的你
どうしてそんな
為什麼要用那種
眼で僕を見る
眼神看我呢
何が欲しい全てあげるよ
有什麼想要的我全部都會給你喲
窓から見える
從窗戶看去
街の燈りを
街上的燈光
全部買い取ってみせようか？
全都買下來送給你吧？
誰もが僕を
無論是誰
置いて消えてく
都丟下我離去
君だけは逃がさない
只有你是不會逃走的
彼女は何も歌わなくなって
她不再唱歌
何も口にしなくなって
也不再進食
虛ろな瞳
空虛的眼神
僕の愛した
就像我曾愛過的
母親と同じ瞳
母親同樣的眼眸
この世は金さ
在這世上
金さえあれば
只要有錢
何でも買える
什麼都買得到
君も買える
你也可以買到
「…どうして泣くの？」
「你為什麼哭了呢？」
蔑むような
輕蔑一般
君の笑顔
你的笑容
疎ましい
如此無情
愛していると
我愛你
ささやきながら
這樣低語著
やせ細った君を抱いて
擁抱著消瘦的你
そして靜かに
然後靜靜地
火を放とう
點燃火焰
この胸の地獄
讓你看看
見せよう
我內心的地獄吧
けれど僕は
但是我卻
一人殘されたまま
一個人被留下